酸素と二酸化炭素の交換
呼吸器系の最も重要な役割は、酸素と二酸化炭素を交換することです。
吸いこまれた酸素は肺へ入っていき、肺胞に達します。
肺胞表面の細胞とそれを取り巻く毛細血管は、ともにそれぞれ細胞1個分の厚みしかなく、
互いに密接しています。
壁の厚みは平均約1マイクロメートル(1万分の1センチメートル)なので、
酸素はこの空気と血液の間の壁をすばやく通り抜け、毛細血管の血液中へ入ります。
同様に、血液中の二酸化炭素は肺胞へ入り、その後呼気として体外へ出されます。
酸素を含んだ血液は肺から肺静脈を通って左心室へ送られ、全身へと押し出されていきます。
酸素を失い、二酸化炭素を多く含んだ血液は、上大静脈と下大静脈という2本の大静脈を
通って右心室へ戻ります。
その後、この血液は肺動脈を通って肺へと送られ、肺で酸素を受け取り、二酸化炭素を放出します。
安静にしているときでも、酸素と二酸化炭素の交換を維持するために、毎分6〜10リットル程度の
新しい空気が肺に送られ、毎分約0.3リットルの酸素が肺胞から血液中に送られます。
同時に、ほぼ同量の二酸化炭素が血液中から肺胞へ運ばれ、体外へ出されます。
運動中は、毎分100リットルもの空気を吸いこみ、そこから毎分3リットルの酸素を取りこみます。
酸素が体内に取りこまれる速度を測ると、体が消費した総エネルギー量がわかります。
外気から肺を流れる血液中に酸素を取りこむには、呼吸、拡散、
灌流という3つの過程が欠かせません。
呼吸は、空気が肺に出入りする過程のことです。
拡散は、体がエネルギーを使ったり努力したりすることなく、
肺胞と肺の毛細血管との間で自然に行われているガス交換のことです。
灌流は、心血管系が肺全体にわたって血液を送り出す働きをいいます。
体の血液循環は、酸素を含む空気と酸素を消費する体内の細胞とを結びつけるために
欠かせません。
全身の筋肉細胞に酸素を行きわたらせるには、肺だけではなく、酸素を運ぶ血液や、
その血液を循環させる心血管系の役割も重要です。
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