海綿腎
海綿腎は腎臓の尿細管が拡張するまれな病気です。
海綿腎は通常、胎児の発育中に生じる非遺伝性の異常によって起こります。まれに、異常が遺伝性のこともあります。
海綿腎はほとんどの場合、何の症状も起こしませんが、痛みを伴う腎臓結石、血尿、腎臓の感染症を起こす傾向があります。半数以上の人で、腎臓にカルシウムが沈着します。
海綿腎は、その特徴的な症状から疑われます。腎臓にカルシウムが沈着していれば、腎臓のX線検査でわかります。
診断を確定するには画像検査が必要で、造影剤を静脈から注入してX線撮影を行い、腎臓で排出される様子を調べます。超音波検査は有効ですが、腎臓の奥深くにある小さな嚢胞は検出できません。
大半の人は治療をしなくても回復します。海綿腎が原因でカルシウムが沈着して結石ができる場合には、治療が必要になります。
サイアザイド系利尿薬を服用し、水分を多量に摂取し、食事中のカルシウム量を抑えることで、結石ができて尿路がふさがってしまうのを防ぐことができます。
尿路が閉塞した場合には、手術が必要になります。感染症は抗生物質で治療します。
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